マーケティング戦略

OODAループとは?市場の変化に対応する新たなフレームワークとPDCAサイクルの使い分け

ときに「高速PDCA」とも呼ばれるOODA(ウーダ)ループ。
20世紀の日本を「技術大国」「モノづくり大国」として発展させてきたPDCAサイクルと対比して語られることの多いキーワードです。

ビジネスの現場で、目標達成のために欠かせないフレームワークだったPDCAサイクルに変わり、なぜOODAループが注目されるようになったのでしょうか。
今回は二つのビジネスメソッドの辿ってきた歴史を踏まえ、それぞれの特徴を探ります。

 

20世紀の高度成長を支えてきた品質管理哲学、PDCAサイクル

「PDCAはもう古い」と、否定的に語られるケースも増えてきたPCDAサイクル。
その言葉の是非はさておき、PDCAサイクルの発想自体は意外なまでに古い歴史を持っています。

日本企業にPDCAサイクルが根付いたきっかけは、終戦から間もない1950年(昭和25年)に来日した米国の統計学者W・E・デミング博士が企業経営者に向けて語った品質管理の講演です。

当時はまだ、日本の工業製品は「安かろう、悪かろう」の代名詞といえるものでした。
デミング博士はこれまで「設計」→「生産」→「販売」と一方通行で終わっていた生産の流れに「市場調査」を盛り込み、消費者の反応を分析して設計に反映させる循環、いわゆる「デミングサイクル」を提唱します。
この「回転」する品質管理哲学から発展したPDCAサイクルは、日本製品が高水準な品質を武器に、世界の市場を席巻していく大きな原動力となったのです。
日本製品に押されていた欧米では、1980年になり「日本的品質管理」として紹介されたことを契機に広まりました。PDCAサイクルは日本から逆輸入した形といえるでしょう。

長く仕事の基本だったPDCAサイクルが「古い」と言われるようになったのは、PDCAを「回す」スピードが、市場の変化に追いつけないケースが増えてきたことに大きな要因があります。

インターネットの登場とグローバル化の進行で、顧客のニーズが変化するスピードは、どんどん速くなっています。
インターネットを通じて世界中の商品やサービスが競合になるようになった現在。ある日突然、海外の激安ライバルが登場することはあらゆる業界で起こり得ます。
Amazonが登場したとき、家電量販店の強力なライバルになることまで分析することは困難でした。結果を見てから次のアクションを考えるPDCAサイクルでは遅すぎる状況も生まれてきたのです。
そこで新たなビジネスのフレームワークとして注目を集めたのが、高速で意思決定を繰り返すための理論、「OODA(ウーダ)ループ」でした。

 

市場の変化に対応するフレームワーク・OODA(ウーダ)ループとは

OODAループの名前は、「観察(Observe)→方向付け(Orient)→決定(Decide)→実行(Act)」の頭文字からとられています。

PDCAサイクルと対比して語られることの多いOODAループですが、製造業やマーケティングの世界から生まれた発想ではありません。
米国で撃墜王と呼ばれた空軍パイロットのジョン・ボイド氏が、常に想定外のことが起こり得る状況下で、柔軟に、かつ迅速に意思決定を繰り返すために必要なプロセスを、4つの過程に分けて説明した理論です、
実際に米国の海兵隊で導入されたOODAループは、湾岸戦争や災害救助でも威力を発揮してきました。
状況の変化を観察して柔軟な判断や迅速な実行を優先するOODAループの考え方は、ビジネスにも応用できるフレームワークとして次第に脚光を浴びるようになったのです。

OODAループは、「観察」をスタート地点とする点に大きな特徴があります。
「計画」をスタート地点とするPDCAサイクルの場合、最初の仮説の方向性が正しいかどうかは、実行して検証するまでわかりません。対してOODAループは、大枠の目的だけを決めて現場で状況を観察しながら方向づけと計画、実行の各過程を繰り返します。

ボール投げに例えれば、PDCAサイクルが変化の少ない的の中心に向けて誤差修正を繰り返す方法論だとすれば、OODAループは常に動き続ける的が「次に来る場所」を想定しながら投げ続ける方法論です。

ネット上で起きたヒット商品やブームは数日間で鎮静化することも珍しくありません。
「後追い」で計画を立ててから実行しても、市場のライフサイクルに追いつくことは難しくなっています。
状況に合わせた新しいパラダイムの創出に重点を置くOODAループの考え方は、常に一手先を見据えた戦略が求められるデジタルマーケティングに適したフレームワークといえるでしょう。

 

PDCAサイクルとOODAループの使い分け

しかし、PDCAサイクルが実効性に優れた方法論であることに変わりはありません。
そしてPDCAは「品質改善」、OODAは「意思決定」のためのフレームワークです。どちらが優れている、というわけでもありません。
マーケティングの現場で活用するときは、PDCAサイクルとOODAループはそれぞれの弱点を補強する関係性にあることを抑えておきましょう。

たとえば思うようにアクセスの伸びないコーポレートサイトのCVR改善を担当することになった場合を考えてみましょう。

PDCAサイクルに当てはめれば、まず現在のサイトのアクセス解析の分析から問題点や改善点を考えることが基本になります。つまり、現状すでに行った施策の範囲での改善がメインです。
一方OODAループの場合、コーポレートサイトを構築したときに想定していた市場や、競合、自社の状況に変化はないか、市場全体を観察することが起点となります。

OODAループに沿って、潜在顧客となり得るユーザー層をスピーディーに集客する施策としては、コーポレートサイトにブログやオウンドメディアを構築する手段も考えられます。
記事の投稿で自社サイトの集客の幅を広げていけば、これまでの施策だけでは捉えきれなかったユーザーのニーズも、アクセス解析から分析可能です。
集客に結び付いたページやキーワードに対しては、別軸でPDCAサイクルを回して最適化していく戦略も考えられるでしょう。

状況を見て柔軟に対応するOODAループと、目標に向けて狙いを絞り込むPDCAサイクル。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて使い分けることが大切です。

 

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